競馬初心者が馬券を購入する、競馬場に行くとなった場合、守るべきルールとマナーがあります。中には当然のこともありかと思いますが、反対に意外と盲点である部分もあるでしょう。
特に初心者の方は、最初に覚えておくといい部分をまとめておきましたので、確認しておきましょう。
競馬をスムーズに楽しく始めたいならルールを覚えておくべき!
毎年フランスで行われ、多くの日本馬が挑戦する世界最高峰レースのひとつ凱旋門賞では、競馬場入場者にドレスコードが存在します。特にヨーロッパにおいて競馬は貴族の楽しみということもあり、多くのルールがあります。
元来競馬はこうしたルールの多い競技。日本においてはドレスコードのような厳しいルールはありませんが、最低限守るべきルールとマナーがあります。
こうしたルールやマナーを知り、それを守ることで競馬をより正しく、そして楽しく見ることができますので、最低限守るべきマナーとルールは覚えておきましょう。
初心者が意外と知らないルール5選!
まずは破ってはいけないルールからご紹介します。ここで紹介するルールは、競馬を円滑に運営するため、また健全に楽しむために必須の項目ばかりですので、必ず守るようにしてください。
Rule01=馬券購入は20歳になってから=
日本国内の法律では、馬券の購入ができるのは20歳以上となっています。成人年齢が18歳に引き下げられましたし、同じくギャンブル(正式には遊技機ですが)のパチンコも18歳から楽しめますが、馬券に関してはお酒やタバコと同じ20歳以上となっています。
かつては20歳以上かつ学生ではないことが条件でしたが、現在は学生の方でも20歳以上であれば購入可能です。
まだ20歳以下という方は、予想や映像で楽しむ分には問題ありませんが、馬券は購入できませんのでご注意ください。
Rule02=馬券は指定の購入方法で=
インターネットを利用した馬券購入が中心になっている現在では、あまり多くはありませんが、違法に馬券を購入する「ノミ屋」という存在があります。ノミ屋で馬券を購入するのは完全に違法ですので、決して手を出さないようにしましょう。
指定の馬券購入方法は、即PATやSPATなど、公式に認められたインターネット投票、全国各地にあるWINSやエクセルといった場外馬券売り場での購入、そして各競馬場での購入のみです。
馬券を購入する場合は上記3つの方法で購入するようにしましょう。
Rule03=的中馬券の払い戻し期間は60日間=
WINSや競馬場などで馬券を購入した場合、馬券が的中したら払い戻しを受けることができます。払い戻しを受けることができるのも、やはりWINSや競馬場であり、購入した日に払い戻しをすれば全く問題ありません。
購入した日に払い戻しを受けられなかった場合、後日WINSや競馬場で払い戻しを受ける必要がありますが、その有効期限は60日間となっています。
いくら大穴の万馬券が的中していても、この有効期限を過ぎてしまっては馬券は紙切れとなってしまいますので注意しましょう。
インターネットで馬券を購入した場合、レースが確定するとその場で自動的に払い戻されますので、払い戻し期間を気にする必要はありません。
Rule04=競馬場には入場料がある=
2021年7月現在、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しており、当面通常のように入場できない競馬場ですが、目の前でライブでレースを見ることができる魅力的な場所です。特に初心者の方は、実際にレースを見ることで、より競馬の興味を持つかと思います。
競馬場に入場できるようになった時に覚えておいていただきたいのが入場料です。競馬場に入場するには入場料が必要です。しかし入場料はさほど高額ではなく、100円から200円という金額になっています。
競馬場に行く場合は、100円玉を数枚用意し、きっちり入場料を支払って入場しましょう。
Rule05=競馬場に持ち込めない物がある=
競馬に出走する競走馬は非常に繊細で臆病な動物です。競馬場ではそんな競走馬が力を出し切れるように、競走馬の邪魔になるものの持ち込みを禁じています。
・危険物(火気類・ビン類・缶類等)
・ペット(盲導犬・聴導犬を除く)
・車輪のついた器具・乗り物(車椅子・ベビーカーを除く)
・テント・パラソル・大型のテーブル
・騒音を発生させる器具(ホイッスル・拡声器・楽器等)
・投げること・飛ばすことを目的とした器具(ボール・風船・フリスビー等)
参照:JRAHP「JRAからのお願い・ご注意」
人が多く集まる場所ですので、当然危険物は持ち込めません。ほかにも一般的な施設でも持ち込めない物が多い中、競馬場ならではなのが「騒音を発生させる器具」と「投げること・飛ばすことを目的とした器具」でしょう。
音や飛行物は馬を刺激する可能性が高く、たとえ使用しないとしても持ち込むことが禁止されています。競馬場にはコースの内側、内馬場と呼ばれる広大なスペースがあり、いろいろな器具を持ち込みたくなりますが、主役はあくまでも馬ですので、馬にマイナスの影響がある物は持ち込まないようにしましょう。
ルールというより初心者が守るべきマナー編5選
競馬を楽しむ、特に競馬場でレースを見ながら馬券も楽しむのであれば、出走する競走馬に悪影響を与えないのはもちろん、ほかの観客にも迷惑をかけないような立ち居振る舞いが求められます。
そこで、特に競馬場で守るべきマナーに関してもまとめておきましょう。
Manners01=大声を出さない=
競馬のレースを見ていれば誰でも興奮するものです。さらに馬券を購入していればその興奮も倍増するでしょう。レースの最終盤、最後の直線の攻防などを見て、自分の応援する馬に大きな声で声援を送るのは全く問題ありません。レースが始まればどんどん応援しましょう。
しかしパドックでの大声は厳禁です。パドックとは競走馬がレースに出走する前に輪乗りを行う下見所です。このパドックでは大声、大きな音を出さずに静かに馬を観察しましょう。馬は臆病な生き物ですので、大きな声で驚かせないようにしましょう。
Manners02=カメラ撮影でフラッシュは厳禁=
競馬場では馬を撮影すること、また一緒に言った友人と記念撮影など、写真撮影自体は問題ありません。ただしやはり馬が驚きますのでフラッシュは厳禁です。
馬の目線に入らなければ問題ないという方もいますが、馬は草食動物です。非常に視界が広く、300度以上視界が広がっている生き物ですので、どの方向でフラッシュを光らせても、ほぼ視界に入ると考えてください。
競馬場ではフラッシュを使わないというのは最低限守るべきマナーです。
Manners03=競馬場はキレイに利用する=
非常に当たり前のことですが、競馬場はキレイに利用する必要があります。ゴミをそこらへんに捨てない、指定された場所以外での喫煙など、競馬場ごとにルールが決められていますので、ルールに従い、かつほかの入場者の迷惑にならないようにマナーを守る必要があります。
特に、絶対にやめていただきたいのが競馬場のコース内に物を投げ込むこと。硬いものを投げ込むと、それを踏んだ馬がけがをする可能性があります。食べ物を投げ込むと、それを食べた馬が体調を崩すこともあります。
競馬場のコース内は常にキレイに保たれていないと、公平なレースができなくなりますので、このマナーは絶対に守るようにしてください。
Manners04=座席の確保は必要な分だけ=
競馬場には無料の観戦スタンドがあります。このスタンドには座席が設置されており、入場者であれば自由に使うことが可能です。地方競馬の平日開催や、重賞のない日の中央競馬開催など、あまりお客さんの数が多くなく、自由に空間を利用できる場合は別ですが、基本的に座席は人数分のみ確保するようにしましょう。
大人数のグループでの競馬観戦などで、まとまったスペースを確保し、必要以上に椅子を確保しているケースが全国の競馬場で多発しているとも言われています。ほかのお客さんの迷惑になりますので、こういった迷惑行為はやめるようにしましょう。
Manners05=馬券購入前にきちんと準備を=
競馬場で馬券を購入する場合のマナーです。競馬場でマークカードを使って馬券を購入する場合、しっかり準備をしてから発券機に並ぶようにしましょう。
普段インターネット投票をしている方は特に、マークカードでの購入に慣れていないかと思います。マークカードへの記入は事前に済ませておくのはもちろん、できれば購入するための現金も手元に用意して並ぶのがベストです。
競馬開催日で2場開催、3場開催となると、レース間の馬券購入時間は非常に短くなります。この短時間に購入希望者が発券機に集中することになり、スムーズに購入できないとほかの方の馬券購入が間に合わないという事態になりかねません。
最悪マークカードの記入漏れがあり、購入できない場合は、その場で修正するのではなく、一度発券機から場所を移し、別の場所で書き直してから再度並び直すのがマナーです。周りのお客さんの迷惑にならないように行動しましょう。
競馬の豆知識編
直接競馬観戦のマナーやルールとは関係ない項目ですが、知っておくとほっこりする、気分がいいような豆知識をいくつかご紹介しておきましょう。
正直言うと、別に知らなくてもいいことばかりですので、読み流していただいても問題はありません。
豆知識01=馬券で負けたお金は人のために役立っている=
馬券で負ければ当然悔しいですし、そのお金がどう使われているかも気になるところです、JRAのお偉いさんがニヤニヤしながら私腹を肥やしているかと思うと腹が立ちますが、そうでもないのが事実です。JRAの収益の一部は、全国の畜産業の発展のために使用されています。
日本国内で馬券が売られるようになったのは、馬産業界を発展させるのが目的でした。明治時代日露戦争でロシアと戦い、軍馬の性能の差を感じた軍部が、日本国内の馬産を活性化させ、優秀な軍馬を生産しようと考えました。そのため欧州諸国で行われていた競馬を日本にも導入し、馬券を売ることで多くの資金を得て、馬産業界に還元していたのです。
その流れは今でも続いており、JRAの売り上げの一部が畜産業界の発展に利用されています。また、こうした目的があるからこそ「公営ギャンブル」として認められているともいえます。
もし馬券が外れてしまっても、「自分のおかげで日本の畜産は支えられている」と考えれば、少しは気が晴れるのではないでしょうか?
豆知識02=一番の観戦スポットは内馬場?=
競馬場でレースを生観戦するのであれば、一番盛り上がるところで見たいというのが心情です。ではどこが一番盛り上がるのか?これは当然「ゴール前」ということになります。
しかしこのゴール前は非常に多くの人が集まる場所でもあります。特に馬の写真撮影が趣味の方などは、開門と同時にゴール板前の場所を確保するためダッシュするほど、場所取りが争奪戦になります。
意外な穴場となるのが内馬場。つまり馬場の内側です。中央競馬の競馬場では、内側がダートコース、外側が芝コースとなっているため、芝のレースをより近くで馬を見るのであればコースの外側から見るのがおすすめです。それだけに多くの人が集まる場所となります。
競馬場によっては、内馬場でもゴール板近くから観戦できる競馬場があります。ダートのレースであれば内馬場からの方が馬が近く感じられますので、人込みが苦手という方は、内馬場で観戦してみるのはいかがでしょうか?
豆知識03=当てたいなら新馬戦・未勝利戦がおすすめ=
せっかく馬券を買うのであれば、当てたいというのが多くの方の気持ちでしょう。ではどのレースが当てやすいのか?それが分かれば苦労はしないわけですが、もっとも当てやすいと言われているのが「新馬戦・未勝利戦」です。
新馬戦や未勝利戦では、生涯未勝利で終わる馬と、将来のGⅠホースが同じ舞台で戦います。つまり出走馬の実力差が大きいということになります。
新馬戦の場合、直前の調教や血統のみが予想ファクターとなり、不確定要素が多くなります。しかし未勝利戦の場合実際1回以上レースを使っていますので、予想ファクターが多くなります。それでいて新馬戦と同様実力差の大きい馬が対戦するということもあり、比較的人気通り収まる傾向にあります。
反対に当てるのが難しいのが重賞です。馬同士の実力差が少なく、ちょっとしたことが着順に影響するので、意外な結果が出やすくなります。
ここで2020年に行われた、新馬戦、未勝利戦、重賞の各数値を確認しておきましょう。
新馬戦 | 未勝利戦 | 重賞 | |
勝ち馬平均人気 | 3.4番人気 | 3.2番人気 | 3.6番人気 |
平均単勝配当 | 1,071.9円 | 1,039.5円 | 1,453.7円 |
平均複勝配当 | 272.0円 | 276.8円 | 354.8円 |
平均枠連配当 | 1,850.6円 | 2,173.0円 | 2,283.0円 |
平均馬連配当 | 4,365.6円 | 5,559.4円 | 8,821.7円 |
平均馬単配当 | 9,346.4円 | 11,224.0円 | 18,670.4円 |
平均三連複配当 | 17,924.7円 | 19,158.8円 | 37,096.5円 |
平均三連単配当 | 114,138.9円 | 110,091.6円 | 251,989.7円 |
重賞と比較すると、新馬戦や未勝利戦の方が固く収まっていることが分かるかと思います。馬券を当てたいという方は新馬戦・未勝利戦に注目してみてはいかがでしょうか?
まとめ
競馬は多くの方が楽しむ競技です。同時に馬という大変臆病な生き物がレースをする競技でもあります。馬の速度は時速60km/h以上。その上には騎手が乗っています。万が一馬を驚かせてしまうと、馬自身及び鞍上が大けがをしかねません。
特に競馬場で観戦する際は、馬を刺激しないことを考えて観戦するようにしましょう。また、競馬場やWINSなどは多くの競馬ファンが集まる場所でもあります、周辺の方に迷惑になるような行為は控えましょう。
自宅でインターネット投票で競馬を楽しむ際にはあまり気にしていないことでも、生観戦などで競馬を楽しむ時は十分周囲に配慮し、その場のルールを守って楽しんでください。